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東京理科大学 理学部第一部の一般選抜対策|数学2回・化学150点と学科別の勉強法
東京理科大学理学部第一部の一般選抜を、2027年度公式科目表と2026年度問題分析から解説。数学科・応用数学科の数学2回、化学系の150点配点、A方式の学科別条件、英語の記述対策と過去問の復習方法を整理します。
東京理科大学理学部第一部の一般選抜対策では、「数学・英語・理科を各100点で受ける」と一括りにしないことが重要です。B方式では、数学科・応用数学科は数学の試験を2回受け、化学科・応用化学科では化学が150点満点になります。学科によって、演習すべき科目も得点の重みも変わります。
さらに、理学部第一部の英語は、2026年度の分析で記述問題の出題が確認されています。数学や理科が得意でも、読めた内容を設問に沿って書く練習を後回しにすると、本番で時間を使いすぎる可能性があります。
この記事は、理学部第一部の一般選抜(一般入試)を対象に、B方式の学科別対策と、共通テストを利用するA方式の違いを解説します。学校推薦型選抜・総合型選抜の対策は含めません。
情報の基準は2026年10月5日です。 受験条件は公開済みの2027年度大学公式案内・科目表、出題形式は河合塾Kei-Netの2026年度問題分析を根拠としています。確認日現在、大学公式の募集要項一覧には、2027年度一般選抜の最終募集要項がまだ掲載されていません。出願前には、公開後の最新募集要項・訂正・変更のお知らせと照合してください。
2027年度の募集対象は6学科:第一部・第二部も区別する
2027年度B方式の公式科目表で、理学部第一部の募集対象として確認できるのは、次の6学科です。
- 数学科
- 物理学科
- 化学科
- 応用数学科
- 応用化学科
- 科学コミュニケーション学科
大学公式の学部紹介には、改組された応用物理学科の紹介も残っています。過年度の記事や学部紹介に名前があることと、その年度に受験できることは別です。 募集対象は志望年度の入試資料で確認します。
科学コミュニケーション学科は2026年に開設された学科です。2027年度に初めて開設される学科として扱わないよう注意してください。過去問を探すときも、設置前の年度と設置後の年度を分けて確認します。
また、理学部第二部は別の学部で、入試日程・方式も異なります。「理科大理学部の問題」というだけでは教材を特定できません。大学名・理学部第一部・B方式・年度・科目までそろえて過去問を用意しましょう。大学全体の位置づけは東京理科大学の一般選抜対策の全体像で確認できます。
2027年度B方式の科目・配点:第3回目の試験が学科で変わる
以下は2027年度公式科目・時間割表の理学部第一部欄と注記に基づきます。第1回目は数学100点、第2回目は英語100点が全学科共通です。違いは第3回目にあります。
| 学科 | 第3回目の科目・配点と合計満点 |
|---|---|
| 数学科・応用数学科 | 数学100点/合計300点 |
| 物理学科 | 物理基礎・物理100点/合計300点 |
| 化学科・応用化学科 | 化学基礎・化学150点/合計350点 |
| 科学コミュニケーション学科 | 物理基礎・物理、または化学基礎・化学100点/合計300点 |
数学科・応用数学科では、数学が合計200点、英語が100点です。B方式に理科の試験はありませんが、数学を1回受けるだけではありません。
化学科・応用化学科の化学は150点です。一方、科学コミュニケーション学科で化学を選択した場合は、150点満点の採点結果を100点に換算します。例えば採点結果が90点なら、換算後は 90 × 100 / 150 = 60点 です。同じ「化学を受験する」場合でも、合計点の計算は区別します。
数学の科目は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・C、英語は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲと案内されています。数学の第3回目も公式表では数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cです。細かな出題範囲・取り扱いは最新募集要項でも確認してください。
試験日は2027年2月5日:数学は100分と80分を別に測る
公式日程表では、理学部第一部のB方式試験日は2027年2月5日(金)です。公開済みの時間割は次のとおりです。
| 試験 | 時間・試験時間 |
|---|---|
| 第1回目・数学 | 10:00〜11:40/100分 |
| 第2回目・英語 | 12:50〜13:50/60分 |
| 第3回目・学科指定科目 | 14:50〜16:10/80分 |
数学科・応用数学科でも、100分と80分を合計して「180分で自由に配分できる数学の試験」と考えてはいけません。第1回目が終わってから第3回目の時間を使って解き直すことはできないため、それぞれの制限時間で答案を仕上げる練習が必要です。
本番と同じ順番の演習も取り入れ、午前の数学で疲れたあと、英語と第3回目でどのようなミスが増えるかを記録します。集合時刻・持ち物・受験会場は、この開始時刻とは別に募集要項・受験票で確認してください。
同一試験日の2学科出願は「3回とも同じ受験科目」が条件
大学公式のB方式案内では、同一試験日で第1・第2・第3回目の受験科目が同じ場合、2学科まで出願できると説明されています。
例えば、数学科と応用数学科は、どちらも数学・英語・数学です。化学科と応用化学科は数学・英語・化学です。一方、数学科と物理学科は第3回目が異なります。同じ学部・同じ試験日であれば自由に組み合わせられるわけではありません。 科学コミュニケーション学科を含む組み合わせは、選択する理科をそろえたうえで、最新の併願条件と出願画面で確認しましょう。
配点から学習の優先順位を決める:数学系と化学系を分けて考える
配点の大きい科目は、同じ正答率の改善でも合計点への影響が大きくなります。ただし、勉強時間を配点比率どおりに固定すると、伸ばしやすい失点を見逃すことがあります。
数学系は数学が200/300点、化学系は化学が150/350点を占めます。数学系で第3回目をほとんど練習していない場合や、化学系で化学の計算問題を大量に残している場合は、まずそこを調べる価値があります。その一方、英語の基礎知識が抜けていて短期間に改善できるなら、英語に時間を使う判断もできます。
自作の配点例:正答率10ポイントの改善を比較する
次は配点の意味を説明するための単純化した計算例です。科目内で配点に応じた得点率が一律に10ポイント上がると仮定します。合格点・実際の出題配点・生徒の実績を示すものではありません。
| 志望学科 | 仮定した改善と合計点への影響 |
|---|---|
| 数学科・応用数学科 | 数学2回とも10ポイント改善:20点増/英語10ポイント改善:10点増 |
| 化学科・応用化学科 | 化学10ポイント改善:15点増/数学または英語10ポイント改善:10点増 |
| 物理学科・科学コミュニケーション学科 | 各科目10ポイント改善:それぞれ10点増 |
ここから「数学だけ」「化学だけ」でよいとは言えません。過去問を解いて、どの科目で、どの原因による失点が、どの程度直せるかを確認します。1回の高得点より、複数年度で同じ失点が減ったかを学習配分の判断材料にしましょう。
A方式との違い:数学系にも理科が必要になる
B方式が大学独自の試験であるのに対し、A方式は共通テストを利用します。理学部第一部では、4教科型・3教科型・2教科+英語資格検定の条件を分けて確認します。S方式は理学部第一部を対象とする方式ではありません。
3教科型・4教科型:6学科共通の科目表で確認する
理学部第一部の2027年度A方式3教科型は、外国語200点、数学200点、理科200点の600点満点です。
| 教科 | 利用する共通テスト科目・条件 |
|---|---|
| 外国語 | 英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語から1科目。英語はリーディング100点+リスニング100点 |
| 数学 | 「数学Ⅰ,数学A」と「数学Ⅱ,数学B,数学C」の両方。各100点 |
| 理科 | 物理・化学・生物・地学から1科目を200点に換算。2科目受験した場合は第1解答科目を使用 |
4教科型は、この内容に国語または情報Ⅰの100点を加えた700点満点です。国語は200点満点を100点に換算し、国語と情報Ⅰの両方を受験した場合は高得点の科目を使用します。
つまり、B方式では理科を受けない数学科・応用数学科も、A方式3教科型・4教科型では理科が必要です。B方式の物理学科・化学系の指定理科を、そのままこのA方式の条件に当てはめることもできません。方式を追加する前に、共通テストで受験する科目と第1解答科目を確認します。
国語・情報Ⅰを利用する場合は準備が必要ですが、いずれもEdurouteの高校生向け指導科目には含まれません。指導科目と、出願に必要な科目は区別して計画してください。
2教科+英語資格検定:化学科と応用化学科で理科の数が違う
2027年度公式科目・配点表では、理学部第一部の条件は次のように分かれます。全学科で共通テストの「数学Ⅰ,数学A」「数学Ⅱ,数学B,数学C」の両方を利用します。
| 学科 | 数学以外に利用する科目 |
|---|---|
| 数学科・応用数学科 | 物理・化学・生物から1科目:200点 |
| 物理学科 | 物理:200点 |
| 化学科 | 物理・化学・生物から2科目:各100点 |
| 応用化学科 | 化学:200点 |
| 科学コミュニケーション学科 | 物理・化学・生物・情報Ⅰから1科目:200点 |
数学科・応用数学科は数学が各200点の計400点で、理科と合わせて600点満点です。残る4学科は数学が各100点の計200点で、表の科目と合わせて400点満点です。
注意点は次の3つです。
- 化学科は理科2科目、応用化学科は化学1科目です。 B方式ではどちらも化学指定ですが、このA方式では同じ条件ではありません。
- 物理学科で理科2科目を受験する場合は物理を、応用化学科では化学を、第1解答科目として受験します。公式表では、学科指定科目を第1解答科目として受験していなかった場合、その理科得点を0点とする旨が示されています。
- 数学科・応用数学科は、理科2科目受験時に第1解答科目を使用します。科学コミュニケーション学科も理科2科目受験時は第1解答科目を使用し、理科と情報Ⅰを両方受験した場合は高得点の教科を使用します。
公式案内では、所定の外部英語資格・検定スコアは出願資格として利用し、スコアによる加点は行わないと説明されています。資格の種類・基準・有効期限・提出書類を確認したうえで、学力判定に使われる共通テスト科目を準備します。
例えば、B方式の化学科に向けて化学だけを準備している人が、このA方式も追加するなら、物理または生物を含む理科2科目への対応が必要です。科目名の「2教科」は「共通テストを2科目だけ受ければよい」という意味ではありません。
2026年度の出題分析:数学の追加試験と英語の記述を見落とさない
次の表は、河合塾Kei-Netの2026年度問題分析から、理学部第一部に関係する形式を整理したものです。2027年度も同じ大問数・形式で出題されることを保証する表ではありません。
| 科目 | 2026年度分析で確認できる点 |
|---|---|
| 数学 | 数学科・応用数学科は100分の試験に加え、80分・大問2題の数学試験がある |
| 英語 | 読解中心。理学部第一部では下線部内容説明の記述問題が出題された |
| 物理 | 理学部第一部は80分・大問4題。空所補充・選択形式、マークシート式 |
| 化学 | 理学部第一部を含む薬学部以外は80分・大問6題。計算の比重と解答形式への対応が必要 |
出典はKei-Net数学Ⅲ・C、英語、物理、化学です。数学分析の冒頭にある創域理工学部の具体的な単元は、理学部第一部の出題単元として転記していません。英語の文章量など、学部が限定されていない情報も第一部固有の特徴とは断定しません。
以下の勉強法・自作例・時間配分は、この情報を踏まえたEduroute編集部の提案です。大学の公式学習法・採点基準ではありません。
数学:計算を終える力と、根拠を書ける力を一緒に鍛える
数学Ⅲの微分・積分・極限は、基本計算から入試問題まで段階を踏んで準備します。導関数を求められるだけでなく、増減、接線、面積、条件を満たす実数の範囲など、計算結果を何に使うのかまで説明できるようにします。
同時に、数列・確率・ベクトル・複素数平面などを後回しにしすぎないことも必要です。「微積分なら解けるが、図形の条件が付くと立式できない」という場合は、微積分の難問を増やす前に、座標設定や図形の基本事項へ戻ります。
自作例:増減表から「解の個数」まで説明する
次は、式の計算と論証をつなぐための編集部自作例です。大学の過去問ではありません。
問題:正の実数 `x` について、方程式 `x − log x = a` の異なる実数解の個数を、実数 `a` に応じて求める。ここで `log` は自然対数とする。
f(x) = x − log x と置くと、定義域は x > 0 です。
- 微分すると
f′(x) = 1 − 1/x = (x − 1)/x。 0 < x < 1で減少、x > 1で増加し、f(1) = 1が最小値になります。x → 0+とx → ∞のどちらでもf(x) → ∞です。連続性と各区間での単調性から、a > 1なら左右の区間でそれぞれ1個の解を持ちます。
したがって、`a < 1` で0個、`a = 1` で1個、`a > 1` で2個です。
微分だけできて答案が止まる人は、「導関数を求める練習」より、その後の増減・端での極限・結論をまとめる練習が必要です。逆に、結論が合っていても、定義域や端の様子を書いていないなら、なぜ2個なのかを説明し切れていません。
この例なら、次の復習では x − log x の形を暗記するのではなく、別の関数でも「定義域→増減→端の様子→解の個数」という順序を再現します。答案の採点は、利用する問題集・過去問解説の基準に沿って確認してください。
数学科・応用数学科:2回の失点を混ぜずに記録する
数学系では、共通の100分試験と追加の80分試験を別々に採点・分析します。「数学は得意」という自己評価だけでは、第3回目に何が足りないか分かりません。
| 見つかった状態 | 次に変える練習 |
|---|---|
| 第1回目で計算に時間を使い、第3回目まで疲労が残る | 計算の途中式を整理し、1回目で解く順番を試す |
| 第3回目で方針は立つが答案が完成しない | 80分で記述・計算・見直しまで行う演習を入れる |
| 誘導の途中までは解けるが、最後で止まる | 前の設問の結果を、次の条件とつなぐ説明を書き出す |
| 結論は合うが、場合分けや根拠が抜ける | 条件・定義域・境界値を答案に書く習慣を付ける |
第3回目の過去問を「時間に余裕があれば解く追加問題」にせず、最初から週の演習枠に入れます。英語も100点あるため、数学の難問を1問考える時間と、英語の復習を1回行う時間の使い方を比較してください。
物理学科・化学系・科学コミュニケーション学科では、数学の第3回目を受けるわけではありません。自分に課されない追加試験の対策に時間を使いすぎず、第1回目の100分試験と指定・選択理科を仕上げます。
英語:60分の中で、読解と記述の根拠確認まで進める
理学部第一部の英語では、選択肢を選ぶ練習に加えて、内容を短く説明する練習を入れます。2026年度の記述問題の出題は確認できますが、2027年度の設問数・字数・配点を決めつけて練習しないようにしましょう。
記述では、知っている単語を順番に訳すだけでは答えにならないことがあります。指示語が何を指すか、原因と結果はどこにあるか、筆者がどこまで主張しているかを読み取る必要があります。
自作英文:指示語を具体化し、因果関係を落とさない
次は編集部自作の英文と練習です。大学の過去問ではありません。
The researchers repeated the experiment with a larger sample. This made the estimate more reliable, but it did not prove that the treatment worked for everyone.
練習1:「This」が指す内容を日本語で説明する。
解答例は「研究者が、より大きな標本で実験を繰り返したこと」です。「推定が信頼できること」と書くと、原因である行動と、その結果を取り違えています。
練習2:英文全体が述べる、成果と限界の両方を説明する。
解答例は「より大きな標本で再実験したことで推定の信頼性は高まったが、治療が全員に有効だと証明されたわけではない」です。「治療が全員に有効だと分かった」では、did not prove の否定を落としています。
復習では、答案に必要な要素を本文へ戻して確認します。単語が足りないのか、文構造が取れないのか、根拠は分かっているのに日本語にまとめられないのかを分けてください。要約の練習だけを増やしても、構文の誤読は直りません。
時間配分は「実測→調整」で決める
まず60分で1年度分を解き、読解・記述・語彙文法・見直しの各所に何分かかったかを記録します。大問の配点や分量を確認せず、全年度に同じ時間を割り当てる必要はありません。
例えば記述1問で長く止まり、後半の答えられる設問に届かないなら、最初の演習では一度保留して先へ進み、最後に戻る手順を試します。戻るための目印と、答案欄への記入時間も含めて練習します。
日々の学習は、語彙の意味・用法の確認、1文の構造を取る精読、時間を測る読解、根拠を日本語で書く復習を組み合わせます。長文を読んでも意味がつながらない場合は、高校英語の長文が読めないときの対策で原因を整理できます。
物理:80分・大問4題の演習で、立式と処理時間を分けて直す
2026年度分析では、理学部第一部の物理は大問4題です。時間を単純に割ると1題20分ですが、配点・設問数・難易度は均一とは限りません。過去問を解きながら、先に取れる設問と、いったん保留する設問を判断する練習を行います。
力学・電磁気は優先して確認しつつ、波動・熱・原子にも基本事項の穴を残さないようにします。分析である年度に出ていない分野があっても、それを次年度の出題範囲から除外する根拠にはできません。
自作例:電荷保存とエネルギーを同じ扱いにしない
次は、適用する法則を整理するための編集部自作例です。
問題:電気容量がともに `C` の理想的なコンデンサーA・Bがある。Aだけを電圧 `E` まで充電して電源から切り離し、Bは未充電とする。AとBを抵抗を含む回路で並列に接続したとき、十分時間が経った後の共通電圧と、抵抗で発生した熱を求める。外部への電荷の流出はなく、他のエネルギー損失は無視する。
接続前の全電荷は CE です。接続後の共通電圧を V とすると、2個のコンデンサーの全電荷は 2CV。電荷保存より 2CV = CE、したがって `V = E/2` です。
静電エネルギーは、接続前が CE²/2、接続後が 2 × C(E/2)²/2 = CE²/4。差の `CE²/4` が抵抗で発生した熱です。
ここで「静電エネルギーが保存する」と立式すると、抵抗で熱が発生する条件を使っていません。系全体のエネルギー収支と、コンデンサーの静電エネルギーだけを区別する必要があります。
間違えたら、答えを写す前に「電源は接続されているか」「何が保存するか」「どこでエネルギーが変わるか」を図の横に書きます。この確認は、力学でも、摩擦の有無や衝突前後に適用する法則を整理する練習につながります。
物理学科では物理が指定です。科学コミュニケーション学科で物理・化学を選ぶ場合は、直近の模試1回だけで決めず、未習範囲、80分での処理、併願先で必要な科目を含めて判断します。基本の立式で止まる場合は、高校物理の勉強法も確認してください。
化学:150点配点でも、80分の試験時間は増えない
化学科・応用化学科では化学の配点が150点ですが、試験時間は80分です。「重視される科目だから、十分な時間が用意されている」と考えず、知識の確認と計算処理を並行して仕上げます。
理論化学は、物質量・気体・溶液・平衡・電気化学などで、数量の関係を自分で立てる練習をします。無機化学は条件を含めた知識、有機化学は官能基・反応・構造決定の根拠を整理します。具体的な頻出順位や次年度の出題を予想するより、実際の過去問でどこに時間がかかるかを確認してください。
自作例:反応式の係数を濃度の変化へ反映する
次は、平衡の立式を確認するための編集部自作例です。
問題:一定の温度・体積のもとで `A ⇄ 2B` の平衡を考える。最初はAのみが濃度 `c₀` で存在し、そのうち割合 `α` が反応した。平衡時の各濃度と、濃度で表した平衡定数 `Kc` を求める。ただし `0 < α < 1` とする。
平衡時は [A] = c₀(1 − α)、[B] = 2c₀α です。したがって、
Kc = [B]² / [A] = 4c₀α² / (1 − α)
となります。例えば c₀ = 0.100 mol/L、α = 0.50 なら、[A] = 0.050 mol/L、[B] = 0.100 mol/L です。
[B] = c₀α としてしまう人は、計算の速さより、反応式の係数と増減量の対応を直す必要があります。先に「初め・変化・平衡」の3行を作り、係数比を確認してから計算します。式が正しいのに答えがずれる人は、小数・指数・単位換算のどこで変わったかを探します。
知識・計算・解答形式の失点を別々に記録する
Kei-Netの2026年度分析では、計算の比重や独特な数値解答形式が指摘されています。問題冊子の解答指示を確認し、数値の表し方・丸め方・マークする桁を含めて練習しましょう。
「化学で時間が足りない」というときは、少なくとも次を分けます。
- 知識を思い出すのに時間がかかる:教科書事項を、条件と反応を組にして再確認する。
- 数量の関係を立てられない:反応式、物質量、濃度の増減などを表にする。
- 立式後の計算が遅い:途中式を残して手計算し、桁・単位を見直す。
- 解答欄の読み違い:数値が求まった後、指示どおりに記入するところまで再現する。
科学コミュニケーション学科で化学を選ぶ場合も、換算後100点だから計算対策を省けるわけではありません。教材を選ぶ段階でつまずく場合は、高校化学の勉強法で基礎からの進め方を確認できます。
過去問の使い方:得点だけでなく「次の演習」を決める
過去問は大学公式の過去の入試データで公開状況を確認できます。大学サイトでは昼間学部の英語問題を公開しておらず、教学社の大学赤本シリーズを案内しています。英語を含む教材は、収録学部・方式・年度・解説の有無を確認して用意してください。
1年度を「本番演習→原因確認→再演習」で使い切る
- 本番演習:科目ごとの制限時間、問題冊子の指示、マーク・記述を含めて解く。数学系は第1回目と第3回目を分けて記録する。
- 原因確認:知識不足、方針不足、計算・表現の誤り、時間切れに分類する。時間切れなら、未着手か途中で止まったかも分ける。
- 類題で修正:不足していた単元の基本・標準問題へ戻る。英語は該当文の構造と記述の必要要素を確認する。
- 解答を見ずに再演習:数日後、同じ問題を解き直し、方針と根拠を再現できるか確認する。別の年度・類題でも使えるかを確かめる。
解き直しで正答できても、答えを覚えていた可能性があります。異なる条件の類題でも同じ考え方を使えるか、次の初見年度で同じ失点が減ったかを確認してください。
復習記録の自作例:数学の追加試験を独立した行にする
以下は数学系志望者の記録方法を示す架空の例です。実在の生徒の実績ではありません。
| 科目・試験 | 失点の原因と次の行動 |
|---|---|
| 第1回目・数学 | 積分の計算途中で符号ミス。類題を解き、途中式の区切りを変える |
| 英語 | 指示語は読めたが記述で原因と結果を逆にした。本文の根拠に線を引き、答案を書き直す |
| 第3回目・数学 | 解の個数の結論だけを書き、区間ごとの根拠を省いた。定義域・単調性・端の様子を含めて再答案を作る |
「次は集中する」「計算ミスをしない」とだけ書いても、練習の中身は変わりません。どの問題で、何を確認し、何を再現するかまで書くと、次の日の課題になります。
残り期間に合わせた計画:教材数より再現できる範囲を増やす
次は計画を立てるための目安です。学校の進度・共通テスト・併願日程によって調整します。特定の月までに終えれば合格できるという基準ではありません。
| 状態・時期 | 取り組む内容と確認点 |
|---|---|
| 未習・基本事項に穴がある段階 | 数学Ⅲを含む必要範囲を確認。理科の基本法則・反応と、英語の語彙・構文を復習する |
| 標準問題を一通り解ける段階 | 理学部第一部の過去問を1年度試し、科目別・試験別の弱点を見つける |
| 秋〜共通テスト前 | 弱点の類題演習と過去問を往復。A方式利用者は共通テストの科目・解答順・換算を再確認する |
| 共通テスト後〜B方式直前 | 独自試験の時間配分を調整。記述、計算、答案記入を含めた仕上げと、既出の失点の再確認を行う |
1週間は、演習する日と復習する日を組にする
数学系なら、第1回目の数学を解く日だけでなく、第3回目の80分演習とその復習を予定に入れます。化学系なら、化学の80分演習後に、計算と知識のどちらへ戻るかを決めます。物理・科学コミュニケーション系は、指定・選択した理科を固定して進み具合を確認します。
例えば休日に1年度分を解くなら、翌日の学習枠を最初から復習用に確保します。平日は、その演習で見つかった弱点の類題と英語の読解・記述を進め、週末に修正を確認します。毎週新しい年度を解くだけの予定にせず、戻る時間を含めて組んでください。
部活動や学校課題で長い演習時間が取れない週は、弱点の大問単位の練習に分けることもできます。ただし、本番の集中力と時間配分を確かめる全体演習も、受験前に確保します。併願を含む学習の全体像は理科大・MARCH理系を目指す勉強の進め方で整理できます。
保護者が確認したいこと:学科・方式・書類を一緒に点検する
保護者が支援しやすいのは、問題の難しさを評価することより、出願条件と演習予定の抜けを確認することです。
| 確認項目 | 点検する内容 |
|---|---|
| 学部・学科 | 第一部か第二部か。志望年度の募集対象に入っているか |
| B方式の第3回目 | 数学・物理・化学のどれか。科学コミュニケーション学科の選択科目は何か |
| A方式の併用 | 共通テストの必要科目、理科の数、第1解答科目、資格証明書の条件 |
| 教材 | 第一部の方式・年度を確認。数学系の追加試験が収録されているか |
| 復習予定 | 演習後に戻る日があるか。英語の記述や答案記入まで練習しているか |
| 出願・入学手続 | Web登録・支払い・書類提出・合格後の各期限を最新要項で確認 |
声かけでは、「何点だった?」に加えて「次に直す問題はどれ?」「解き直す時間はいつ取る?」と聞くと、点数から次の行動へ話を進めやすくなります。数学系では、第1回目と第3回目を別々に振り返れているかも確認しましょう。
よくある質問
数学科・応用数学科は、理科を勉強しなくても受験できますか?
2027年度の公開済みB方式科目表では、両学科は数学・英語・数学で、理科の試験はありません。ただし、A方式を利用する場合は理科が必要です。併願先の必要科目も合わせ、B方式だけの条件で高校の学習全体を決めないようにします。
化学科と応用化学科は、同じ準備でよいですか?
B方式では、両学科とも数学100点・英語100点・化学150点です。一方、A方式2教科+英語資格検定では、化学科は理科2科目、応用化学科は化学1科目という違いがあります。大学で学ぶ内容も含め、入試科目が同じことだけで志望学科を決めないようにしましょう。
英語はマーク式の長文問題だけで対策できますか?
2026年度の理学部第一部では、下線部内容説明の記述問題が出題されています。マーク式の根拠確認に加え、指示語・因果関係・対比などを、設問に沿って日本語でまとめる練習をします。次年度の具体的な構成は保証されないため、複数年度の形式を確認します。
科学コミュニケーション学科は、過去の情報をどう使えばよいですか?
2026年開設のため、設置前の年度にその学科の入試実績があるかのように扱わないことが大切です。現在の科目・配点を公式表で確認し、教材では設置後の収録状況と、受験する第一部の試験問題を確かめます。他学科の倍率や合格点を、そのままこの学科へ当てはめることもできません。
合格には何割必要ですか?
学科・方式・年度・問題の難易度で変わるため、全員共通の得点率を合格保証として示すことはできません。大学公式の入試データで公表されている結果と、自分の年度別演習記録を区別して使います。数学系は300点、化学系は350点という満点の違いや、換算のある科目にも注意してください。
参考資料・情報の確認日
確認日:2026年10月5日。制度は2027年度の公開済み公式案内、出題分析は2026年度を対象としています。大学が後日公表する最終募集要項・訂正・変更を優先してください。
- 東京理科大学:理学部第一部の学部紹介
- 東京理科大学:科学コミュニケーション学科公式サイト
- 東京理科大学:一般選抜B方式
- 東京理科大学:2027年度B方式科目・時間割表
- 東京理科大学:2027年度B方式日程表
- 東京理科大学:2027年度A方式3教科型科目表
- 東京理科大学:2027年度A方式4教科型科目表
- 東京理科大学:A方式2教科+英語資格検定
- 東京理科大学:2027年度A方式2教科+英語資格検定科目・配点表
- 東京理科大学:入学者募集要項一覧
- 東京理科大学:過去の入試データ・過去問公開案内
- 旺文社パスナビ:東京理科大学の入試科目・配点(確認時に過年度表示あり。補助照合に利用し、2027年度の根拠は大学公式資料とする)
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