高校物理

高校物理がわからない原因と勉強法|公式暗記から抜け出す5ステップ

高校物理がわからないと感じる原因を、数学・公式・状況把握・図示・演習の観点から整理し、問題を解けるようになるための5ステップを具体例付きで解説します。

公開日 読了目安 約6分執筆:Eduroute編集部
高校物理でつまずく原因と、図を描いて法則を選ぶ勉強法を整理した図解

高校物理で「公式は覚えたのに問題が解けない」「解説を見ると分かるのに、自分では式を立てられない」と感じることがあります。

物理では、公式を知っているだけでは十分ではありません。問題文から状況を整理し、何に注目するかを決め、使う法則を選び、式へ落とし込む必要があります。

そのため、物理が苦手なときは「公式をもっと覚える」だけでなく、どの段階で止まっているのかを分けて確認することが重要です。

この記事では、高校物理がわからなくなる主な原因と、力学を例にした立て直し方を整理します。

高校物理がわからなくなる主な原因

数学の計算で止まっている

物理では、文字式、方程式、比例・反比例、三角比、グラフなどを使います。

物理の考え方は分かっていても、

  • 式を変形できない
  • 分数を含む計算でミスする
  • グラフの傾きを読み取れない
  • 三角比を使って力を分解できない

といった部分で止まると、物理そのものが分からないように感じます。

この場合は、物理の参考書だけを繰り返すより、止まった計算に必要な数学を短く戻る方が効率的です。

公式を「文字の並び」として覚えている

例えば運動方程式の

F = ma

を覚えていても、「どの物体に働く力の合計がFなのか」が分からなければ、問題では使えません。

公式は、

  • 何を表しているか
  • どの条件で使えるか
  • 各文字が何を意味するか

まで確認します。

問題文から状況を図にできない

物理では、文章だけを読んで式を書き始めると、力の向きや運動方向を見落としやすくなります。

特に力学では、最初に簡単な図を描き、

  • 注目する物体
  • 力の向き
  • 速度や加速度の向き
  • 座標軸

を整理すると、使う式を選びやすくなります。

「何を求める問題か」が曖昧なまま計算を始めている

問題文には多くの数値が出てきますが、すべてをすぐ使うとは限りません。

まず、

  1. 求める量は何か
  2. 分かっている量は何か
  3. その2つをつなぐ法則は何か

の順で考えると、不要な情報に振り回されにくくなります。

解説を読むだけで終わっている

物理は、解説を読むと「なるほど」と感じやすい科目です。しかし、自力で図を描き、法則を選び、式を立てる練習をしないと、別の問題で再現できません。

解説を確認したあとに、必ず何も見ずに最初から解き直します。

物理が解けない場所を4段階で診断する

「物理が苦手」と大きく捉えるのではなく、どの段階で止まるかを確認します。

段階自分への質問戻る場所
1. 状況把握何が動き、何を求める問題か分かるか問題文の読み取り
2. 図示力・速度・加速度を図にできるか基本図・力の種類
3. 法則選択使う法則を選べるか定義・公式の意味
4. 計算式を立てたあと計算できるか数学・単位

高校物理の問題で止まった段階から復習先を判断する診断フロー

このように分けると、「物理全部をやり直す」のではなく、必要なところだけ戻れます。

高校物理を立て直す5つのステップ

1. 一問を「図にする」ところから始める

まず、解けなかった問題を一問選びます。

式を書く前に、物体や運動方向を簡単に描きます。絵の上手さは必要ありません。矢印と記号で状況を見える形にすることが目的です。

2. 求める量と分かっている量を書き出す

例えば、

  • 求める量:加速度 a
  • 分かっている量:質量 m、力 F

のように整理します。

何を求めるのかが決まると、使う法則の候補を絞りやすくなります。

3. 法則を一つ選ぶ

力学なら、運動方程式、力学的エネルギー保存、運動量保存などがあります。

いきなり複数の公式を並べるのではなく、「この問題では何をつなぐ法則が必要か」を一つずつ確認します。

4. 文字の式を作ってから数値を代入する

最初から数値を入れると、何を計算しているのか分かりにくくなることがあります。

まず文字で関係式を作り、そのあと数値を代入します。途中式が残るため、間違えた場所も見つけやすくなります。

5. 単位と答えの大きさを確認する

最後に、単位が求める量と合っているかを確認します。

例えば加速度なら m/s²、速さなら m/s です。

計算結果が極端に大きい・小さい場合は、単位換算や桁を間違えていないかも確認します。

具体例:公式を覚えていても解けないときの考え方

摩擦のない水平面上に質量2 kgの物体があり、水平方向に6 Nの力を加えたとします。加速度を求める問題を考えます。

1. 注目する物体を決める

質量2 kgの物体に注目します。

2. 水平方向の力を確認する

摩擦がないので、水平方向に働く力は6 Nです。

3. 運動方程式を使う

F = ma

なので、

6 = 2a

となります。

4. 加速度を求める

a = 3 m/s²

です。

ここで重要なのは答えの3ではありません。

もし「F = ma は知っているのに、なぜ6をFに入れるのか分からない」なら、公式暗記ではなく力の整理へ戻る必要があります。

一方、6 = 2a までは作れるのに a = 3 を出せないなら、つまずきは物理より方程式の計算にあります。

同じ不正解でも、戻る場所は違います。

定期テスト前はどこから優先するか

テスト前に広い範囲が分からない場合、問題を次の3種類に分けます。

  1. 図も式も自力で作れる
  2. 図は作れるが、使う法則を選べない
  3. 問題文を読んでも状況が分からない

まず「2」の問題を優先すると、短い復習で解ける問題が増えやすくなります。

「3」が多い場合は、演習量を増やす前に教科書や基本例題へ戻り、図と状況の対応を確認します。

分野ごとに「典型的な図」を持つ

物理では、分野ごとに繰り返し出てくる基本状況があります。

  • 力学:物体に働く力の図
  • 波:波形、位相、距離
  • 電気:回路図、電場の向き
  • 熱:状態変化やエネルギーの出入り

問題を見るたびにゼロから考えるのではなく、「この状況ならまずこの図を描く」という型を持つと、問題の整理が速くなります。

一人で勉強しても同じところで止まる場合

次のような状態が続く場合は、学校の先生や個別指導などで、途中式や図を見てもらうと原因を特定しやすくなります。

  • 解説は理解できるのに初見問題で式が立たない
  • 毎回どの公式を使うか迷う
  • 図の描き方が合っているか判断できない
  • 数学のつまずきと物理のつまずきを区別できない
  • 定期テスト範囲を短期間で整理したい

Edurouteでは、高校生向けに数学・物理・化学・生物・英語を個別に学習する高校生の定期テスト対策コースを用意しています。今の単元だけでなく、必要に応じて前の数学や物理基礎へ戻りながら進めたい場合は、コース内容も確認してみてください。

高校物理は「公式を覚える」より「問題を整理する順番」を作る

高校物理がわからないときは、公式を増やす前に、

  • 状況を図にする
  • 求める量と分かっている量を分ける
  • 法則を一つ選ぶ
  • 文字式を作る
  • 数値を代入して単位を確認する

という順番を固定してみてください。

毎回同じ順番で問題を見るようになると、「何をすればよいか分からない」という状態を減らしやすくなります。