高校数学

高校数学についていけない原因と対策|苦手を立て直す勉強法

高校数学についていけないと感じる原因を整理し、どこまで戻って復習すればよいか、授業・問題集・定期テスト対策をどう進めるかを具体的に解説します。

公開日 読了目安 約9分執筆:Eduroute編集部
高校数学についていけない高校生が、原因と対策を整理している図解

高校数学の授業を受けていて、「説明を聞いても分からない」「問題集を開いても手が止まる」「中学までは数学が苦手ではなかったのに、高校に入って急についていけなくなった」と感じることがあります。

このとき大切なのは、今習っている単元だけを何度も解き直すことではありません。高校数学は、それまでに学んだ計算や式の扱い方を前提に進むため、どこで理解が途切れているのかを見つけて、必要なところまで戻ることが重要です。

この記事では、高校数学についていけないと感じるときに考えられる原因と、苦手を立て直すための具体的な進め方を整理します。

高校数学についていけないと感じる主な原因

高校数学が難しく感じる理由は一つではありません。今の単元そのものが難しい場合もあれば、それ以前の内容に原因がある場合もあります。

中学数学の計算や方程式に不安が残っている

高校数学では、展開・因数分解・平方根・方程式・関数など、中学数学で扱った内容を使いながら新しい考え方を学びます。

例えば、二次関数の考え方は理解できていても、式変形や平方完成の途中で計算が崩れると、問題全体が分からないように感じてしまいます。

この場合、必要なのは高校数学の問題を大量に解くことではなく、計算で止まっているのか、考え方で止まっているのかを分けて確認することです。

公式を覚えることが中心になっている

数学では公式を覚えることも必要ですが、公式だけを暗記すると、少し形が変わった問題で使い方が分からなくなることがあります。

「この公式を使う」と覚えるだけでなく、

  • 何を求めるための公式なのか
  • どの条件で使えるのか
  • 問題文のどの情報と対応しているのか

まで確認すると、初めて見る問題でも使いどころを判断しやすくなります。

授業の理解と問題演習の間が空いている

授業中には分かったつもりでも、自分一人で問題を解こうとすると手が止まることがあります。

説明を聞いて理解することと、自分で解答を組み立てることは同じではありません。授業で扱った例題を見たあとに、類題を自力で解く時間を作ることで、理解できている部分と曖昧な部分を確認できます。

分からない場所を特定できていない

「数学が分からない」という状態のままだと、復習する範囲が広すぎて何から始めればよいか決めにくくなります。

例えば同じ「二次関数が分からない」でも、

  • 平方完成ができない
  • グラフの頂点を求められない
  • 最大値・最小値の意味が分からない
  • 場合分けができない
  • 問題文から式を作れない

では、必要な復習が異なります。

まずは「単元」ではなく、解けなくなる具体的な操作や考え方まで細かくすることが重要です。

分からない範囲がたまり、最初から全部やり直そうとしている

苦手が増えると、「数学を最初から全部やり直さないといけない」と考えがちです。しかし、学校の授業も進んでいる中で、教科書を最初から順番にやり直すと負担が大きくなります。

今の単元を理解するために必要な内容を優先して戻る方が、学習範囲を絞りやすくなります。

まず「今の単元」と「前提知識」を分けて考える

高校数学を立て直すときは、現在の単元だけを見るのではなく、その単元を解くために必要な前提知識を確認します。

例えば、次のように整理できます。

今つまずいている内容先に確認したい内容の例
二次関数展開・因数分解、平方根、一次方程式、座標
二次方程式因数分解、平方根、式変形
三角比比、平方根、図形の基本、方程式
指数・対数指数法則、分数、方程式、式変形
微分関数、二次関数、式変形、グラフ
ベクトル座標、図形、文字式、方程式

高校数学でつまずいたときに、現在の単元から確認したい前提知識を整理した図

この表はあくまで目安です。実際には同じ単元でつまずいていても、原因は人によって異なります。

問題を解きながら「この一行がなぜ出てくるのか」「ここから先だけ計算できない」と具体的に止まる場所を探すと、戻るべき範囲を決めやすくなります。

高校数学を立て直す5つの手順

1. 解けなかった問題を一問だけ選ぶ

最初から問題集を何十ページもやり直す必要はありません。

まずは学校の授業や定期テスト範囲から、解けなかった問題を一問選びます。そして、解答を見ながら「どの行までは自分で分かるか」を確認します。

「全部分からない」ではなく、「この式変形までは分かる」「ここで使っている考え方が分からない」と区切ることが第一歩です。

2. 分からない理由を分類する

解けなかった理由を、例えば次のように分けます。

  • 計算方法を忘れている
  • 用語や公式の意味が分からない
  • 公式は知っているが使う場面を判断できない
  • 解答を見れば分かるが、自力では方針を思いつかない
  • 問題文から式を立てられない

原因が違えば、必要な勉強も変わります。

計算が原因なら基礎計算へ戻り、公式の使い方が原因なら例題で条件と使いどころを確認します。方針が思いつかない場合は、似た例題と比較しながら「何を見て解法を選んだのか」を整理します。

高校数学の問題が解けないときに、つまずき方から復習先を判断するフロー

3. 必要なところだけ一段階戻る

原因が分かったら、その内容に必要な範囲だけ戻ります。

例えば平方完成で止まるなら、二次関数全体を最初からやり直すより、展開や式変形を数問確認したうえで平方完成へ戻る方が効率的です。

それでも解けなければ、もう一段階戻ります。このように、必要な範囲を小さく戻りながら原因を探すことで、復習範囲を広げすぎずに済みます。

具体例:平方完成で止まるなら、二次関数より式変形を確認する

例えば、二次関数 y = x² - 6x + 5 を平方完成してみます。

段階式確認するポイント
1y = x² - 6x + 5まず元の式を確認する
2y = (x² - 6x + 9) - 9 + 5xの係数 -6 の半分 -3 を二乗した9を、足して引く考え方が分かるか
3y = (x - 3)² - 4x² - 6x + 9 = (x - 3)² とまとめられるか

この例で2行目への変形が分からない場合、つまずきの中心は「二次関数のグラフ」ではなく、式変形や平方完成の操作にある可能性があります。反対に、平方完成はできるのに頂点や軸を読み取れないなら、二次関数そのものの理解を確認する必要があります。

このように、実際の一問を途中式まで分解すると、「高校数学が全部分からない」のではなく、どの知識へ戻ればよいかを具体的に判断できます。

4. 例題を見たあと、何も見ずに解き直す

解説を読んで納得しただけでは、自力で解けるようになったかは確認できません。

解説を閉じて、同じ問題または似た問題を最初から解いてみます。途中で止まった場合は、もう一度解説を確認し、「何を思い出せなかったのか」を短くメモします。

例えば、

  • 平方完成の形を作れなかった
  • 定義域を見落とした
  • 符号を間違えた
  • 場合分けが必要だと気づかなかった

のように、ミスの原因を具体化します。

5. 翌日や数日後にもう一度解く

その場で解けても、少し時間が空くと解き方を忘れることがあります。

同じ問題を翌日や数日後にもう一度解き、何も見ずに解けるか確認します。解けなければ、まだ定着していない部分があると判断できます。

一度で完璧にするより、短い間隔で何度か解き直す方が、自分の弱点を確認しやすくなります。

学校の授業についていくための勉強の進め方

苦手を復習している間も、学校の授業は進みます。そのため、「復習だけ」「学校の範囲だけ」のどちらか一方に偏らないようにします。

授業前は難しい予習より用語確認を優先する

授業前にすべて理解しようとすると負担が大きくなります。

まずは教科書の次の範囲を開き、

  • 新しく出てくる言葉
  • 公式
  • 例題のテーマ

を確認する程度でも構いません。

何を学ぶ授業なのかを事前に知っておくと、授業中に重要な部分を追いやすくなります。

授業後はその日の例題を自力で再現する

授業を受けた日のうちに、ノートや教科書の例題を一問でも自力で解き直します。

全部の宿題を終えることだけを目標にするのではなく、「今日習った考え方を自分で使えるか」を確認する時間を作ります。

復習時間は現在の単元につながる内容を優先する

中学数学や以前の単元に戻る場合も、現在の授業につながる範囲から優先します。

例えば二次関数を学んでいるなら、因数分解や平方根、方程式など、今の問題を解くために使う内容を先に復習します。

こうすると、過去の復習が現在の授業理解にもつながります。

定期テストが近いときは「全部理解する」より優先順位を決める

定期テスト直前に広い範囲でつまずいている場合、すべてを一度に理解し直そうとすると時間が足りなくなりやすいです。

まず、学校の授業で扱った例題や問題集を見て、問題を次の3つに分けます。

  1. 自力で解ける
  2. 解説を見れば解ける
  3. 解説を見ても分からない

最初に優先したいのは「2」の問題です。少し確認すれば自力で解ける可能性があるため、学習の成果を出しやすい範囲です。

そのうえで「3」の問題は、前提知識まで戻る必要があるのか、学校や講師に質問した方がよいのかを判断します。

「1」の問題も完全に放置せず、テスト前に解き直して計算ミスや忘れている部分がないか確認します。

一人で立て直すのが難しいのはどんなとき?

自分で復習できる場合も多いですが、次のような状態では、学校の先生や塾・家庭教師などに質問しながら進める方が原因を整理しやすいことがあります。

  • どこまで戻ればよいか自分では判断できない
  • 解説を読んでも途中式の意味が分からない
  • 同じ種類の問題で何度も同じところに止まる
  • 学校の進度に合わせながら過去の復習も必要になっている
  • 質問したい内容をうまく言葉にできない

この場合、答えだけを教えてもらうのではなく、「どの前提知識が抜けているか」「次に何を練習すればよいか」まで一緒に整理してもらうと、学習計画を立てやすくなります。

Edurouteでは、高校生向けに数学などの定期テスト・学校内容を個別に学習する学校推薦型選抜(指定校)・定期テスト対策コースを用意しています。現在の単元だけでなく、必要に応じて前の内容まで戻りながら学習を進めたい場合は、コース内容も確認してみてください。

高校数学についていけないときに大切なのは「どこから分からないか」を見つけること

高校数学についていけないと感じたとき、最初からすべてやり直す必要があるとは限りません。

まずは一問を使って、どこで手が止まるのかを確認します。そして、その原因が計算なのか、公式の理解なのか、解法の選び方なのかを分け、必要なところまで戻ります。

大切なのは、

  • 分からない範囲を具体化する
  • 必要な前提知識だけ戻る
  • 解説を見たあとに自力で解き直す
  • 少し時間を空けて再確認する
  • 学校の進度と復習を両立させる

という流れを作ることです。

「高校数学が苦手」という大きな悩みのままでは、何を勉強すればよいか決めにくくなります。まずは今日解けなかった一問から、止まった場所を具体的にするところから始めてみてください。